ロードランナーというゲームがある。1980年代初めの8ビットパソコンが主流だった頃、AppleⅡ用に開発され、他のパソコンに移植されていったようだ。内容はパズル的なアクションゲームで、自分の左右に穴を掘り、番兵から逃げながらひたすら金塊を集める単純なものである。自分が初めてこのゲームをプレーしたのは1984年夏、大学のサークルの先輩Oさんが所有していたPC-100であった。PC-100とはNECのPC-9801の上位機種だったと思う。互換性はなかったがディスプレイを縦置き・横置きに切り換えて使えるなどけっこう先進的で、マウスもパソコン利用では日本初だそうだ。そのパソコンで先輩宅に滞在中、夜を徹してロードランナーをやっていた。Oさんは三重県に住んでいて頻繁に伺うわけにも行かず、しかし、パソコンのセットに100万円をかけることはできなかった。自分はこの時期、オーディオやビデオに凝っていて、ビクターのHiFiビデオHR-D725を25万円で購入、その後にCDとLDの最初のコンパチ機であるパイオニアCLD-9000と、同じくパイオニアのPalcomというMSXパソコンを30万円近くかけて購入した。これはレーザーディスクゲームをする目的であった。しばらくするとソニーHit-BitからMSX用のロードランナーが発売された。もちろんすぐ購入して最後までクリアした。その数ヶ月後、ロードランナーⅡが発売されたがこれがやけに難しく、50面の内、最後の5面がクリアできなかった。そして最後にチャンピオンシップロードランナーが発売された。これは150面クリアした後に出てくる文字列をソフト会社に送ると先着1000名に認定書とテレホンカードをくれるというものであった。時期は1986年4月頃だと思うが、その頃、ファミコンのディスクシステムとそれで動く「ゼルダの伝説」の発売が重った。その時期、私は会社から某理系大学に研究生として赴任しており、そこそこ忙しかったのだが、この2つのゲームクリアが最優先となった。チャンピオンシップロードランナーを1ヶ月弱でクリアして文字列を送ったら、認定書には46番となっていた。もちろん、テレホンカードは今も保存している。その後、ロードランナーの新しいゲームは出なかったので熱も冷めていったが、数年前、スマホ・タブレット用のロードランナーをGoogleStoreで見つけたので早速購入、今もこの古き佳き時代の単純なゲームにはまっている。心残りはロードランナーⅡの最後の5面をクリアできなかったことだ。