日没後の夜空が賑やかだ。西に金星(宵の明星)、南西の空に木星、南東に土星、東に火星と太陽系の明るい惑星が並んでいる。どれも明るいため、都心部の明るい空で建物に遮られなければ十分見られる。明日は15年ぶりに火星の大接近となるが、観測好機は明日1日ではなく7月から8月末の2ヶ月近くはそれほど大きさが変わらない。火星の大接近について、次回の大接近は2035年9月11日で今回よりもう少し近づくので少し大きく見えるはずだ。しかし、自分はその時生きていたとしても78歳で、目が見えているか疑問だ。人工眼球でよく見えるような時代になっているかもしれないが。今は夏場で蚊に刺されやすいため、望遠鏡を持って見に行く予定はないが、行かれる方は虫対策をお忘れなく!! 見に行ったとしても面白みの欠ける火星よりも縞模様の木星や環が際立つ土星を眺めることになるだろう。今は真夏であるので南の空にはさそり座の主星アンタレスが赤くひかり、北の空にははくちょう座や七夕の主役であるヴェガ(こと座)とアルタイル(わし座)等が見えこちらも賑やかである。アンタレスは赤色超巨星で太陽の600倍以上の大きさである。しかしもう晩年にさしかかり、いずれ超新星爆発を起こして中性子星になるのだろうか。ヴェガやアルタイルは非常に高速で自転しており、赤道方向につぶれているようだ。はくちょう座主星のデネブは白色超巨星に分類されるが、1400光年ほど離れており、肉眼で見える星としてはかなり遠い部類になる。はくちょう座は北十字と言われることもあるが南十字星のようにはっきりしていないためあまりピンと来ないが一番先の星をアルビレオといい、望遠鏡で見るとオレンジと青の二重星であることがわかる。全天で最もきれいな二重星と言われていて、双眼鏡でも見られるので機会があれば御覧頂きたい。人それぞれいろいろな想いがあろうがたまには星空を見上げて気分転換をして頂ければと思う。